感情的になるのは仕方ない
「感情的にならないようにする」のではなく、「感情的になりそうなシチュエーションを避ける」「対処方法を前もって考えておく」ことが重要だという本書。
人にはそれぞれの考え方があるから、とか、あの人はたまたま虫の居所が悪いから、とか、わかっていてもイライラさせられてしばらく何も手につかないようなことってありますよね。相手ばかりではなく自分も、いつもは何とも思わないようなことでも無性に腹が立ってしまったり。
知っているようで知らない私達の『感情』とはどういうものなのか、精神科医である著者が教えてくれます。
感情は放っておけばだんだん収まる
神経症の治療法として広まっている森田療法にある「感情の法則」の一つ。
誰かの物言いや態度にイラッとしたとき、「バカにしている」とか「いつもこんな言い方をする」とかこだわって考え出すとどんどん怒りは膨らみます。これが「感情的になっている」状態。こんな時に頼み事を断られると「みんな自分勝手だ」と恨んでしまいます。
一方「イラッとした」とか「腹が立った」「悔しい」というのは単なる感情で自然なこころの動き。感情はかんたんに入れ替わります。イヤな感情に満たされても、それを気にしないで仕事を続けていればほんの小さな「いいこと」で良い感情に入れ替わります。
形のない感情に思い悩まず、デスクを整理したり、週末の予定を立てたり、服や髪型を変えてみたり、結果が出る日常業務や気分を変える行動で感情も変化していきます。これが「感情を放っておく」ということです。
感情的になりやすいことを避ける
自分の意見や判断は1つの見方に過ぎない
頼み事を断られたり、批判や反論をされたりして感情的になるのは、思い込みが強過ぎることが原因。「是か非か」ではなく「曖昧な状態」を許容すること。
自分の優位性にこだわらない
感情は押されれば押し返してしまう。「先輩だから」「自分の方が詳しいから」と優位性にこだわると相手も反発します。しかし逆も同じで、感情は引かれると引いてしまう。受け入れれば相手の対抗心もなくなります。
意見が対立したら、「それもそうだね」と受け止める。押し合ってもお互いに引いても、どちらも引き分け。腹立たしさが残らないので引くほうが良いのです。そこからお互いの長所を取り込んでより良い結論を出すことで前進します。
話にならない人は放っておく
わがままを言って拗ねてしまう、常識がない、キレやすいなど「話にならない人」は一部の人。怒っても反省しないし変わらないので放っておく。「また始まった」と受け流す。
感情を明るく保つ
いつも外向きでいること。自分の感情に向き合ってもイヤな感情が居座るだけ。出掛けて、人と会って、美味しいものを食べる。動けば気持ちが外に向く。
まとめ
自分は物凄くためになりました。ここで出てきたことを小さな頃から自然にできている人もいれば、幾つになってもできないという人もいると思います。
感情のコントロールは人と多く関わることでわかってくることだと思います。人との付き合いが少なくなると、それに気付く時期も遅れます。本書で言われている「不機嫌な人は幼稚に見える」というのは正にそうで、成熟するほどの経験をまだしていない、のではと思います。自分もそうです。
また、人と関わることが減ることで、感情のコントロールが下手になることもあります。つまり慣れも大事なのだと思います。感情的になって失敗してしまったと落ち込んでも、また向き合う。その内段々とうまくなり、成熟した大人になれるはずです。
少しでも行動することを増やしたいなと思いました。
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