最近何も手につかないのは、部屋レベルが低いせいかもしれない

ライフスタイル

部屋にはその人の性格が現れる

『部屋を見れば未来がわかる!』(舛田 光洋 著、サンマーク出版)の著者は、21年以上ハウスクリーニングの仕事などを通して多くの人の部屋を見てきた経験から、部屋を見れば、そこに住む人の仕事、お金、健康などの未来がわかるといいます。

大多数の人は、他人の部屋を見る機会というのは、あまり多くないはず。顔つきや服装にその人の性格が現れると言われますが、それは部屋でも同じようです。どこに何を置くか、カーテンや家具はどんな色のものか、掃除はどのくらいしているか、同じ部屋は2つとありません。その部屋を見るとその人のことがわかるというのも納得できます。

著者は、そうじによって運勢を好転させる実践ツール「そうじ力」を提唱しており、このシリーズは書籍として累計250万部発行されています。本書では仕事・お金・人間関係・健康・夫婦・子どものことまで、寝室やバスルームやトイレ、デスクなど部屋のいろいろな部分を見ることで未来予測ができるといいます。

占いではなく、長年の経験から導き出されたものなので、なぜそうなるのかも納得できる解説がされています。

本棚に並ぶ本が、何年もかわりばえがしない状態がつづいているのなら、その人は思考停止状態といえます。(中略)本棚はあなたの知的イノベーションがあらわれる場所です。ですから、本棚を見ることで、未来に仕事で成功するか否かを判断できるのです。(中略)常に本が流動的であり、本棚を眺めるだけで向上心がわく、新たな発見がある、必要な情報を取り出せる状態であれば、現在、仕事の状態がどうであれ、未来に引き寄せる仕事はあなたの能力を最大限に発揮できるものとなるでしょう。

100ページ 〜102ページ 本棚の空間レベル

きれいにしたいと思える

引用部分を読むとわかるように、

  • ここがこうなってはダメ
  • なぜならこういう内面が現れているから
  • こうしていけば改善できます

という流れになっています。

自分に当てはまるところを見つけるたび、あまりにズバズバと言い当てられるので最初は落胆してしまうのですが、きちんと片付けや整理をすることで改善することができるとわかるので、「早く部屋を片付けないと!」という気分にさせてくれるはずです。

誰しも経験があるかもしれませんが、片付けや掃除というのは最初の一歩がとんでもなく重いにも関わらず、いざ始めるとどんどん範囲を広げてやってしまいます。

やはりキレイになったり、整理された状態になると嬉しいものです。私も読み進めるうちに居ても立っても居られなくなり、雑に置いていた本を本棚へ直していたら、そのうち本棚を丸ごと整理し直してしまいました。3〜4時間かかりましたが、とても清々しく感じられました。そして何だか整理された本棚を見ていると、自信というか自尊心のようなものを少し感じました。

著者が示している空間のチカラというのは、なるほどこういうことなのかと実感しました。

部屋レベルチェック

巻頭にいくつか設問があり、自分の部屋レベルを診断できるようになっています。5段階で上から「天使空間」「成功空間」「安心空間」「転落ギリギリ空間」「危険空間MAX」です。

私は真ん中の「安心空間」でした。「安心空間」がどういうものかというと、判断基準の一つとしては、「一見綺麗なものの、よく見ると隙間にホコリや汚れがある」という状態です。おそらく多くの人がここに当てはまるのではないでしょうか。

良くも悪くもないので良いように思えましたが、実は「安心空間」とは、何も変わらない空間のこと。落ち着き過ぎてしまって、意欲もわかなくなってしまうのです。何かに挑戦したり、今よりもっと生活を良くするには、一つ上の「成功空間」を目指すと良いそうです。

「危険空間MAX」は俗に言うゴミ屋敷。片付ける意欲も湧かなくなってしまっている状態です。「天使空間」はザ・リッツ・カールトンやマンダリンオリエンタル東京などの5つ星ホテルや、ディズニーランドのような空間。隅々まできれいな上に、訪れた人は自然と感謝や感動が生まれ豊かな気持ちになれます。

定期的に読み返したい

私も昔は部屋をきれいにしていました。週に1回全体を掃除して、その都度どこか1箇所を重点的に掃除するといった具合です。当時は物も少なく、部屋の空気もキレイに感じていました。そして仕事もプライベートも充実した生活を送っていました。

しかし仕事が変わり、しばらくすると掃除の頻度は2週間に1度になり、それも掃除機をざっとかけるだけ。モノが増えホコリが溜まることも増えていきました。仕事も停滞していて、プライベートもあまりうまく行かない日々。

どちらが影響したかはわかりませんが、自分の心・精神状態が部屋に現れるということは、自分の部屋を振り返ってみてもその通りだと感じるのです。

自分の心を変えるのは難しいですが、部屋を片付けるのはそんなに難しいことではありません。まずいらないものを捨ててみる。1年間着なかった服はもう着ない服ともいいます。あらためて見回すと、捨てようと思って捨てられなかったものが意外と多いことに気付きました。ゴミを出すたび(もちろん燃えるゴミで出せるものですが)、捨てようと思っていたものを捨てることにしました。

前回捨てたのは、通常と比べて半分くらい小さいサイズのコロコロ。昔、車で使うために買ったものの、全然くっつかなかった使えないやつです。でもいつか使えるかもと置いていました。こういうものが場所を取り、必要なものの置き場所がなくなってしまっていました。

部屋をキレイにすれば、未来もどんどん良くなる。これは実践するほど体感できます。目に付いたところを1箇所片付ける。曇った鏡を磨いてみる。蛇口の水垢を落としてみる。ストレスがさっと消える感覚です。

本書の内容は、人生で早く知るほど得をすると感じています。定期的に読み返したい一冊です。

部屋がきれいとは言えない、いらないものがなかなか捨てられない、わかってはいるのに片付けることができないという方、一度手にとってみてはいかがでしょうか。

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